みなさま、はじめまして。 「下熊谷の地域遺産を守る会」代表の市場雅延と申します。
「下熊谷の地域遺産を守る会」は雲南市木次町下熊谷の地域遺産の一つである「烏帽子掛けハイキング道」を守り、後世に受け継ぐため、2022年に発足しました。昨年に引き続き、今年も活動実施とご寄付を募っています。
ご支援ご協力のほどよろしくお願い致します。
<昨年度の整備の様子>


この保全活動は代表である私と有志の地域住民の2人が中心となって平成25年に始まりました。

「烏帽子掛けハイキング道」とは?
平成25年島根県の「みーもの森づくり事業」の補助金を活用し整備を行った全長2Kmのハイキング道です。烏帽子掛け一帯では希少生物であるギフチョウも生息しているほど豊かな自然が保たれ、四季折々の美しく豊かな自然を感じることができます。春には、「日本さくら名所百選」に選ばれた中国地方随一の桜の名所である斐伊川堤防桜並木を眼下に眺めることができ、秋には中国山地の紅葉の素晴らしい眺望を楽しむことができます。
またハイキング道入り口近くには、出雲神話に登場する須佐之男命の妻、稲田姫が産湯に使う水を取ったとされる井戸「熊谷さん」が祀られています。この貴重な歴史遺産を後世に語り継いでいくために、ハイキング道一帯の除草作業や、手摺りの点検を自分達のできる範囲で行い維持管理に努めています。

このハイキング道は地域住民のみならず、遠方だと関東等からもご利用いただいています。また過去には小学生の遠足にも利用されたことがもあり、長い間多くの皆さんに愛され続けています。
活動のきっかけ
この活動をはじめたきっかけとなったのは、私たちが幼少期に慣れ親しんで利用していた烏帽子掛け一帯の荒廃に気づいたことでした。久しぶりに歩いた道は木々が生い茂り藪となっており、出雲地方史の基本書である雲陽誌に登場している烏帽子掛けを祀る石仏へもたどり着くことができませんでした。

この現状を目の当たりにして、神話にも登場し我々の先祖が大切に受け継いできた烏帽子掛けを私たちの代で絶やしてはいけない・地域で守るべき大切な遺産として後世に引き継がなくてはならない!と決意し、平成25年に有志2人で活動をスタートしました。
活動の経緯と課題
平成25年に島根県の「みーもの森づくり事業」の補助金を活用し、ハイキング道一帯の整備(除草作業、鎖の手すり・看板設置)を行いました。しかしながら活動開始から2年後に、発起人として一緒に活動していた地域住民の方が亡くなってしまいました。人手不足の懸念があったので地域自主組織の下熊谷ふれあい会へかけあって、自主組織の事業の一環としてこの活動を継続してもらえることになりましたが、整備に必要な除草作業、手摺りの点検や設置した看板の維持管理等が自主組織事業の大きな負担となってしまいました。
現在は人手や補助金が枯渇し、また私自身も高齢になり体力の衰えを感じ、この活動の存続が危ぶまれる事態になっております。維持管理を継続的に確実に実施しないと、このハイキング道は藪に返ってしまい、利用ができなくなってしまいます。地域の皆さんに愛され、また神話の中にも登場し遠い昔よりご先祖様たちから受け継いできたこの地域遺産を、なんとしてでも次の代へ確実に伝承していきたい、それがこの活動の言い出しっぺである私の夢であり、責任でもあると思っています。

これからの活動予定
(1)山道の整備
まずは山頂付近の低木伐採を森林組合の方にご協力いただきます。山頂付近は道幅が狭く急こう配が続く山道なので、専門家による作業が必要となります。この作業をしないと木々が生い茂り、せっかくの眺めが見えなくなってしまいます。森林組合による作業が終わった後に、有志による除草作業及び環境整備を行います。また、一説によるとギフチョウはカタクリの花の蜜を好むそうです。希少生物ギフチョウの保全活動として、カタクリの球根の植え替え・追肥作業を行います。

(2)ツアーやイベントの開催
今年の春にもハイキングイベントを開催いたしましたが、今後もツアーなどのイベント開催を予定しています。情報はこちらのページのほか、地元の有線放送やチラシを活用しながら発信させていただく予定です。
こちらの活動を通して若い世代の方とのつながりができることを大きく期待しています!

寄付の使途
合計 250,000円
・低木伐採を含む整備作業(大原森林組合) 91,000円
・カタクリの球根代 10,000円
・カタクリの植え替え及び追肥作業費 30,000円(2人×15,000円)
・草刈り作業費(油代を含む) 80,000円(1