私たちは、雲南市木次町生まれ、木次牛乳育ちで、青春の大部分を雲南市で過ごしてきた、木次中学校〜三刀屋高校の6年間、ずっと一緒だった同級生を中心に立ち上げた団体です。そんな私たちは、現在、空き家を所有し、自分達で改修しながら、その利活用方法を模索しています。
メンバーは普段は別々の仕事をしていて、休日もバラバラですが、隙間時間を使いながら、たまに集まっては、生産性のない、たわいのない話をし続けていました。しかし、そんな中でぽろっと出てきた、「地元を盛り上げたい、何か面白いことをしたい」という思いから、この活動が生まれました。
主に、活動の中心となるのは、dustbox代表の田中浩貴と、わたくし小林旭です。
代表の田中は、木次中バレー部から、三刀屋高校バレー部へ。卒業後は、県外の学校という学校を渡り歩き、今は、市内建設会社に勤めながら、家庭を愛し、家庭に愛されている、子育てに勤しむ2児のパパです。

小林は高校卒業後に県内の大学へ進学し、卒業後に市内へ就職。普段はしがない事務仕事をしています。

そんな仲良しメンバーとの他愛のない会話から生まれた空き家活用の話。何気ない会話から生まれたことを実現することで、この活動を知ってくれた方が「ちょっとチャレンジしてみよう!」というきっかけになれたらと思っています。そして、「空き家活用を通じた地域活性化」で、地域へ恩返しをしたいと思います!!
「空き家活用のモデルづくり」プロジェクトについて
私たちが今回、挑戦するプロジェクトは、商店街の街並みの面影が残り、自分達にとっても思い出深い「木次駅前商店街」の空き家を活用し、地域を元気にすることです。就職して、市内で働く中で、地域の懐かしい商店街が少しずつ寂しくなっていっていることに気づきました。
雲南市の住宅総数は14,190戸で5年前と比べて350戸減少していますが、空き家数は1,400戸で90戸増加しています。今後、令和10年までに空き家戸数が450戸増加し、空き家率も13%を超えるものと推計されています。
特に、空き家問題は市内の山間部より、商店街などの密集地の方が問題です。一般的に空き家ができると倒壊リスク、景観悪化、雑草・悪臭など衛生環境悪化など、周辺の住環境へ悪影響がありますが、特に商店街のような隣の家と密接なところではその影響が顕著となります。

一方で、空き家利活用はとても難しく、空き家活用における課題は大きく2つあると私たちは捉えています。
一つ目は、空き家運用の担い手の不在です。空き家の所有者が高齢化しているため、自身で空き家を運用することは困難であり、自治体が運営する空き家バンクへの掲載についても、図面作成、現況写真の撮影、金額設定、掲載文の作成など高齢化した所有者が一人で行うにはハードルが高いのが現状です。加えて、webサイト上で不特定多数の方に見られることに警戒心もあり、信頼できる知人のみに、空き家活用の相談をしている方も多くいるため、実際にサイトに掲載される物件以上に活用できる空き家が眠っています。地域の方の信頼を得ながら、空き家情報を集約し、空き家運用ができる担い手が必要なのです。

二つ目は、先進事例が大改修モデルのみであることです。空き家活用で有名な地域は、補助金を活用した大規模改修を行なっている地域が多いですが、このような補助金モデルでは、1、2棟の改修は可能でも、その後、面的に空き家活用を広げていくのは難しいと考えます。そのため、空き家活用などに縁がない素人の方でも気軽に、空き家を活用できる仕組みが必要であると考えます。
今回、活動を行う木次駅前商店街エリアについても、上記2点の課題が当てはまり、空き家運用の担い手がいない、かつ、小規模の改修モデルがありません。空き家問題の解決のためには、既存の空き家活用モデルではなく、この「木次駅前商店街」にあう独自の空き家活用のモデルケースを模索する必要があり、そのためにも誰かが「空き家所有を所有する」というリスクを背負って挑戦する必要があります。

そこで、自らがファーストペンギンとなり、木次駅前の商店街内にある物件(渋川美術店)を所有し、空き家活用の手法を検討・モデルづくりをおこなうというのが、今回のプロジェクトプランです!!
具体的には、土間部分のみの改修に絞り、場所貸しによる少額の利益を確保する低予算での空き家活用のモデルを作ります。今回、自分達で物件探しから、改修、その後の運営まで仕事をしながらスキマ時間で取り組んでいます。そのため、空き家活用に知識や経験がない人でも実践できるモデルとして、自分達の活動から得た経験を、空き家活用マニュアルのようにし、これから活動を始めたい人のお手伝いになればとも思っています!
さらに、上記にかかる費用や収益モデルも数字で見える化し、20代後半〜30代前半の 「何かやりたい情熱や地域に関わりたい想いがある人」に特化して発信していくことで、空き家活用の機運を醸成します!!

また、空き家修繕後の利活用としては、地域の新しい挑戦が生まれる場所として、チャレンジショップを運営します!
市内には、「編み物が得意な人」、「切手にすごく詳しい人」、「防災情報を発信したい人」、「芸術活動をしている人」、「地域の食材・産品を利用した商品を作っている人」など多くのチャレンジャーたちがいます。
自分の趣味として人しれず活動している人から、事業として取り組んでいる方など様々な方がいますが、小さな一歩でも着実に前へ進んでいる人たちの力に、この場所がなればいいなと思っています!
「空き家活用のモデルづくり」で目指すこと
私たちが目指したいのは、「誰もが気軽に空き家を活用し、空き家を起点に地域が活性化できる未来」です。
専業で空き家運用ができるプロがいて、大規模な補助金を活用すれば、すごくリッチでお洒落な空き家活用はできます。
でも、そうではなくもっと等身大の空き家活用モデルがないと、日本全国に広がる空き家問題の解決にはスケールしません。

なので、20〜30代の何か燻っている若者をメインターゲットに、サラリーマンでありながら、片手間でできて、かつ「木次駅前商店街」の土地に馴染む事業利用での空き家活用モデルは、正にこの課題解決に必要不可欠だと思っています。事業利用だとしても、空き家との接点を増やすことで、愛情が増していけば、その先に、空き家所有につながる可能性もあります。
20〜30代の若者たちは、誰もが自分の幸せや自己実現を追い求めているものです。「若者は地域に無関心だ」と言われることもありますが、そんな若者たちを「楽しい」をフックに地域におびき出せれば、地域は活性化し、若者たちにとってもそこが出会いの場や自己実現の場になるはずです。

これからの活動予定
令和5年4月1日〜2日の桜祭りでは、イベント出店で、大東高校の生活化学部、市内で活動するさんひょん氏に利用いただきました。
改修工事は、現在、すで取り掛かっていますが、資金不足により、土間の半分の面積くらいで塗装を断念。


全面塗装、什器類、冷蔵ケースなどが揃えば、7~8月から正式にオープンをしていきたい。また、オープンに際しては市内産品のセレクトも少しずつ始めて行く予定です。
寄付の使途
・施設整備費
土間部分:天井、壁改修費用
土間部分:電気設備工事費
※上記、工事はすでにスタート済み。資金不足により塗装を途中で断念。
・備品購入費 500千円
什器類、冷蔵ショーケースなど